ドコモも参入!ファッションEC業界の今後はどうなる?

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先日ドコモがマガシークの公開買い付け(TOB)を実施すると発表。子会社化を目指す方針のようです。

ドコモの戦略は「dショッピング」の強化を図り「楽天やAmazonと同じ方向に向かう」こと。
これまでにタワーレコードや野菜宅配のらでぃしゅぼーやを子会社化してきましたが、ファッションEC領域での強化も進めるそうです。



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ファッションEC戦国時代へ

先日ZOZOTOWNの方向性についてこのブログで取り扱いましたが、ZOZOTOWNの一人勝ちだった
ファッションEC分野に昨年、楽天とアマゾンが相次ぎ強化を表明。

大手アパレルブランドの獲得戦略により、今後は品揃えでの差別化が難しくなることが予想されます。
そうすると価格競争力が重要になる訳ですが、そこは楽天およびアマゾンの専売特許。
対抗策としてか、一度はポイント還元率10%施策を打ち出したZOZOTOWNでしたが、再度1%に戻し
価格面での訴求に依存するだけでなく、付加価値の想像と創造に尽力」すると発表しています。

また、ZOZOTOWN自体の伸び悩みが言われていましたが、30日に発表された2013年3月期連結業績
では、営業利益を従来予想の104億4,000万円から77億7,000万円に下方修正しています。



 ドコモも参入!ファッションEC業界の今後はどうなる?

参照元:株式会社スタートトゥデイ 平成25年3月期 第3四半期決算説明会資料



そこにきて今回のドコモによるマガシーク子会社化の方針発表。より熾烈な競争が起こりそうですが、今後の展開を占うにあたってこれまでのファッションEC業界のプレイヤー及び状況に関して調べてみました。



ZOZOTOWN、マガシーク、スタイライフの売上推移

今でこそ競合他社を大きく引き離しているZOZOTOWNですが、下記のグラフを見て頂ければ分かる通り、07~08年頃まではマガシーク及びスタイライフと競った状況でした。

 ドコモも参入!ファッションEC業界の今後はどうなる?

ファッションEC上場3社の売上推移

09年度を境にZOZOTOWNの成長スピードが加速しているのは、09年冬のセール時期に初めてテレビCMを流した事が大きかったと言われています。そこで新規会員の大量獲得に成功し、ナンバー1ファッションECサイトの地位を確保していきました。

 ドコモも参入!ファッションEC業界の今後はどうなる?

ただ、いくらCMを放映したからといって、目当ての商品が少なければせっかくのユーザーを取り逃がしてしまいます。ZOZOTOWNはアパレルブランドが大切にする世界観をサイトに反映し、ユナイテッドアローズ等の大手ブランドを相次ぎ獲得。
品揃えを万全にさせた状態で広告展開を行ったことが、この結果につながっている思います。



マガシークの状況

マガシークの特徴は、「CanCam」や「Ray」など赤文字系と呼ばれるファッション誌との連携による、OL層へのリーチが強いこと。ユーザーの9割が女性という事ですが、逆に男性層の取り込みが遅れていました。

昨年9月には、左下の画像から右下のようにサイトデザインを一新し、ZOZOTOWNとの差別化を図るとともに男性層へのアプローチを意識した戦略に転換していました。

 ドコモも参入!ファッションEC業界の今後はどうなる?

画像参照元:「CNET Japan

なお、自社による20~40代の男女を対象にしたオンライン調査では、マガシークの認知度が8.6%だったのに対し、ZOZOTOWNは56%だったとの事で (2012年 1月)、テレビCMによる認知向上にも取り組んでいます。



スタイライフの状況

昨年、楽天との資本・業務提携を発表したスタイライフ。具体的な連携内容は検討中とのことですが、第一弾として楽天が推進する委託販売方式のファッションEC「RAKUTEN BRAND AVENUE(楽天 ブランド アベニュー)」への出店を行っています。

 ドコモも参入!ファッションEC業界の今後はどうなる?

スタイライフ楽天ブランドアベニュー店


スタイライフは「掲載商品が丸ごと買える」通販雑誌のルックスが創業事業。コスメ事業も行っていますが、いずれも不調で2012年3月期の営業損失が4億円強。2期連続の赤字となっています。

一方でファッションEC分野は成長を続けているため、通販雑誌の一時休刊やスクロール社へのコスメ事業の売却を通して、リソースをファッションECに集中させているようです。



今後の展開

ファッションEC「三つ巴」の状況から抜け出したZOZOTOWNですが、出し抜かれた格好のスタイライフが楽天と、マガシークがドコモとの協力関係を築くことになり、さらにアマゾンの影響力も高まってきました。いずれも強固な顧客基盤を抱えているため、ファッションEC領域において今後ますます熾烈な競争が繰り広げられそうです。

上記でも述べたように、ZOZOTOWNが市場をリードした要因である「品揃え」のアドバンテージが今後、ビッグプレイヤーの参入によって効かなくなるのでは無いかと個人的には予想しています。

理由の一つとしては、これまではブランドイメージを重視してECサイトへの商品提供を絞ってきたアパレルメーカー各社が、楽天等のブランドに配慮した対応(イメージを損なわないデザインや、メーカーが取り組みやすいフルフィルの仕組みなど)により、ZOZOTOWN以外へのEC展開を進め始めている事。

もう一つは、特にアパレル業界は商品サイクルが早いため、在庫リスクを常に抱えなければいけない事。
数年前と比較してユーザー側のネット購入ニーズも高まっている中で、EC販売チャネルを増やす事がそのリスク回避の有効な手段になり得ると考えた場合、多くのユーザー基盤を抱える大手への商品展開が加速しやすいのでは無いかと思います。

当然ドコモは依然PCメインの各社との差別化として、スマホのみでネットを利用するユーザーの囲い込みができる強みがあるでしょうし、アマゾンはよりパーソナライズ化された情報をユーザーに届け、便利で安く買い物が出来る事に磨きをかけてくるだろうなと。楽天には最強のポイントプログラムがあり、楽天経済圏と言われる様々な提供サービスとのシナジーを発揮できる強みもある。

そうなった際、ZOZOTOWNがどんな戦い方をしてくるのか。31日に開かれた投資家向け説明会でZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤友作社長は、
「真面目」「感動」「カッコいい」をキーワードにZOZOTOWNを「世界一カッコいいECサイトにする」という方向性を示しています。

価格だけでは無い価値の提供を目指すと思われますが、そのカギはユーザーエクスペリエンス(体験)の最大化にあるのではと、前澤氏の発言を聞いて感じました。
欲しい商品が探しやすいという、ネット購入の強みである「便利さ」だけでなく、
リアル店舗での購入時のような「楽しさ」を付加価値として提供できれば、それが差別化につながるのかもしれません。

具体的には「セレンディピティ」つまり衝動買いを誘発させるようなUIやイメージを追求する方向性なのではと予想します。この辺りは考えがまとまったら改めて書きたいなと。

戦国時代に突入しそうなファッションEC分野。今後どんな展開が行われていくのか、非常に注目です。

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1 comment

  1. Pingback: テレビCM ECサイト 急成長 切り札 | 通販会議

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