「企業のオウンドメディア活用について考える」サイボウズ式勉強会レポート

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 「企業のオウンドメディア活用について考える」サイボウズ式勉強会レポート

昨日、注目のオウンドメディア「サイボウズ式」を運営されているサイボウズさん主催の勉強会に参加してきました。テーマはオウンドメディアの運営について。

第一部では「メディアと企業コミュニケーションの新しい形とは」という内容で、日経ビジネスオンラインでチーフ企画プロデューサーを務める柳瀬博一氏と、東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦氏によるセッションが行われました。

 「企業のオウンドメディア活用について考える」サイボウズ式勉強会レポート
非常に内容の濃いセッションでしたので、自分なりに重要だと感じたポイントをまとめてみました!

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ブランドコンテンツ=記事広告の進化版

東洋経済オンラインの佐々木氏は先日このブログでも取り上げた『【書評】「5年後、メディアは稼げるか」を読んで思った、メディアが広告で稼ぐ難しさと新たな可能性』の著者ですが、その際に注目の手法ということで感想をまとめた「ブランドコンテンツ」が今回の勉強会における重要なキーワードの一つでした。

ブランドコンテンツとは、佐々木氏いわく「記事広告の進化版」とのこと。

これまでの記事広告は、できるだけ編集記事と広告記事の境目を分かりづらくするやり方、つまり読者を欺く形(いわゆるステマ)だったと。
一方でブランドコンテンツは記事広告であることを前面に打ち出した上で、メディアの持つ編集力を生かして、読者にとって面白いコンテンツを提供する広告手法を指す、との説明がありました。

読者はコンテンツが面白ければ広告か編集かは線引きしない

また、日経ビジネスオンラインでかなり以前から記事広告に取り組まれてきた柳瀬氏は、ブランドコンテンツという言葉が生まれる以前から「読者はコンテンツが面白ければ広告か編集かは線引きしない」という考えのもと、広告を面白くする事に取り組まれていたというお話がありました。

事例としてご紹介いただいたのが、池上彰と歩く「アフリカビジネス」という記事広告。

 「企業のオウンドメディア活用について考える」サイボウズ式勉強会レポート

非常に興味深いコンテンツに仕上がっていると感じました。テレビ局との取り組みや書籍化などにより、メディア側としては広告コンテンツで何重ものマネタイズ機会を作り、企業にとっても広告効果が非常に高いスキームであるとのこと。すごい。

確かに「読者にとって面白いかどうか」という考え方は、核心を突いたポイントだなと思います。
自分が読者として考えたとき、別に広告記事だからといって内容が面白ければ特に不快な思いはしませんし。

企業が言いたい事を好きな様に言うためにスペースを買うという従来の記事広告は、ユーザーにとっても企業にとっても、そしてメディアにとっても良い関係を築けるものでは無いのかもしれないなと感じました。

オウンドメディア、ブランドコンテンツの効果


 「企業のオウンドメディア活用について考える」サイボウズ式勉強会レポート

実際に、今回の主催であるサイボウズさんが提供しているオウンドメディア「サイボウズ式」で、東洋経済オンラインとブランドコンテンツの取り組みを行っていらっしゃるのですが、これが驚くほど全く広告臭の無いコンテンツです。これが本当に広告なのかと思ってしまう程!

 「企業のオウンドメディア活用について考える」サイボウズ式勉強会レポート

サイボウズ式編集長の大槻氏によると、自社のサービスに関する売り込みは一切しないというポリシーのもと、ブランディングを目的としてオウンドメディア、そしてブランドコンテンツに取り組んでいるそうです。

衝撃だったのが、その「売ろうとしていないコンテンツ」から実際にサービスの販売・利用に結びついている、というデータです!

サービス利用に至った認知経路のうち、決して少なく無い割合のユーザーが「サイボウズ式」を見たと答えたそうです。当然、東洋経済とのブランドコンテンツの取り組みも、この成果に寄与していると思われますので、メディア側にとっても新たなマネタイズ手法となる可能性を秘めた取り組みであると言えるでしょう。

一方で課題としては、バナー広告と違ってかなり労働集約的なアプローチが必要となるため、ビジネスとして一気に拡大できるものでは無いという部分でしょうか。

また、広告である以上は費用対効果の検証を避けて通れません。ブランドコンテンツを実施する目的は企業によって様々でしょうから、その目的に対して定量的なデータで効果の検証ができる仕組みというものが、ブランドコンテンツの拡大に必要なのでは無いかと感じます。

企業がオウンドメディアに取り組む上でのポイント

これからオウンドメディアを始める企業に対するアドバイスとして、柳瀬氏から以下の点に関する説明がありました。

・自社の商品、サービスに対する圧倒的な知識と愛情をコンテンツに生かすこと

社員はメディアの記者よりも自社のサービスに関する知識が圧倒的にある。
さらに自社のサービスへの愛情も強い。これらの知識と感情をロジカルに伝える事から良いコンテンツが生まれる。

・自社の欠陥についても認識し、必要以上に大きく見せようとしないこと

これまでの広告は「いかに大きく見せるか」が考えられてきたが、webの世界では常に正直であることが求められる。嘘をついては絶対にいけない。良い事があれば進んで教える。悪い事があればすぐに謝る。包み隠さずに、大きく見せようとしない姿勢が大事。

・真似をしないこと。

webメディアの世界では、上手くいった手法を真似ると上手くいかない。むしろ前例踏襲は100%ミスると思うべし。オリジナルであることが強く求められる。

これらの考え方は、オウンドメディアを展開する上で非常に重要なポイントだと思います。特に「大きく見せようと思わない」という点は、これまでの手法や考え方を大きくシフトしなければいけない訳ですから難易度が高そう。徹底したユーザー視点を持つ事がより一層求められるでしょう。

メディアの将来はどうなるか?

柳瀬氏から、「10年後にはメディアの仕事は極めて属人化する」という話がありました。
その背景としては、ここ数年はもはやコンテンツよりインフラの方が寿命が短くなってきているため、インフラを握ることが勝負だったこれまでと異なり、今後はコンテンツがより重視されるようになるだろう、と。

そうなった場合、テクノロジーで解決されるオートマチックな部分と、属人的な業務の部分が大きく分断され、結果として中途半端な役割のホワイトカラーが必要なくなるのでは、という事でした。

佐々木氏からも、メディアの記者が中抜きされる時代が来るのでは、との話がありました。
例えばビジネスメディアの場合、記者よりも実際にビジネス現場に携わっている人の方が圧倒的に知識がある訳なので、オウンドメディア時代の到来に従い、従来よりも面白いコンテンツを社内で簡単に届けられる様になると。

雑誌の世界で快進撃を続ける宝島社も異業種から積極的に採用を行っており、「編集未経験でもファッションに詳しい女性」等を抜擢することで新たなヒットが生まれている、との事でした。

最後に

広告コンテンツと編集コンテンツの境目がどんどん無くなっていくと同時に、オウンドメディアと従来のメディアの境界線が無くなっていく、そんな時代が近い将来訪れるのでしょう。結局はユーザーにとって面白いコンテンツを届けられるかどうか、この一点に尽きますね。

ということで、CyberTimesでも今後ますますオウンドメディアの動向に引き続き注目していきたいと思います。


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