【2017年動画ビジネスの行方 その1】動画制作LOCUSの代表、瀧氏に聞きました

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2016年のデジタルメディア・マーケティング領域において、動画市場は飛躍的な成長を遂げたといっても過言ではない。

この成長市場には複数のスタートアップが参入を果たし、また投資家からの資金も比較的多く投下されている。
プラットフォーム各社(特にFacebook)も動画シフトを強力に推進しており、コミュニケーション手法としても接触コンテンツとしても、急速にユーザーへ浸透・定着してきた。

この市場はまだまだ大きな変化が起こる。

それは各スタートアップにとってチャンスにもなるが、その一方で悲惨な結果を招く可能性もある。

2017年、動画市場はどうなる?

そこで、動画関連ビジネスを展開する複数のスタートアップに私が聞きたい話を伺い、それをこのブログでお伝えしていくことにした。

第一回は、動画の受託制作事業を中心に展開する、株式会社LOCUSの瀧社長にお話を伺った。LOCUSは2015年にニッセイキャピタル及びみずほキャピタルから1.8億円の資金調達を実施した、動画マーケティング関連の成長ベンチャーだ。

 【2017年動画ビジネスの行方 その1】動画制作LOCUSの代表、瀧氏に聞きました

株式会社LOCUS 代表取締役
瀧良太(たき りょうた)

大学卒業後、2006年に新規事業担当として株式会社ビー・スタイルへ新卒入社。
入社1年目に動画関連事業を立ち上げ、2007年マネージャーに就任。
2010年株式会社ビー・スタイルから動画事業の事業譲渡を受け株式会社LOCUSを設立。
社長業に加え、クライアントの動画マーケティング支援、動画マーケティングに特化したニュースメディア「movieTIMES」の編集長、「宣伝会議社主催の動画セミナー講師」、そして自らも動画制作のプランニングからディレクションを行うなど、新たな動画ビジネスの創造に最前線で携わっている。


LOCUSの事業について

柴田「まず御社の事業について教えてください。」

瀧「大手からベンチャー、官公庁、自治体などに対して動画を軸としたコンサルティング事業を600名以上の動画クリエイターと、社員約40名の体制で運営を行っています。動画マーケティングはもちろん、商品・サービス説明や採用、教育研修、インバウンド向け観光案内など幅広い領域に展開をしています。」

柴田「その中で伸びている分野、注力している分野はどこですか?」

瀧「どこがというよりは、万遍なく伸びていますね。注力している領域という点では、動画広告以外の分野にも着目をしています。動画広告が非常に注目を浴びていますが動画の活用は広告だけに留まりません。最近ですと営業の質の均一化を目的とした動画営業ツールやカスタマサポートの強化としての動画マニュアルなどのニーズも増えていますね。」

柴田「なるほど。動画広告ばかりに目が行きがちですが、それ以外の分野でも活用は広がっているという事ですね。」

瀧「そうですね。もちろん弊社でも動画広告は多く扱っていますし、注力をしないという訳では全く無いのですが。広告以外の領域での動画活用ニーズが広がってきており、かつそこには競合他社もあまり注力していませんでしたので、昨年はその領域に対しても営業活動を行っていました。」

柴田「動画を活用するクライアントの業界はどこが多いとかありますか?」

瀧「現在、1000社以上のお取引がございますが業界問わずお取引させて頂いております。特に2016年は地方の企業様からのお問い合わせが増えてきましたが、動画の活用が根付いてきていること感じています。」

柴田「御社はアライアンスにも積極的ですね」

瀧「ここ半年だけでも、ダブルエル社とのマンガコンテンツを活用したサービスの提供、バイラルメディアgrapeとのネイティブ動画広告の共同商品化、VAZ社とのティーン向けショートムーバー活用企画、ピツニーボウズ社とのパーソナライズド動画ソリューションの協業など、幅広いクライアントのニーズに応えるべく、魅力的な技術やサービスを持った企業とのアライアンスを推進しています。」

瀧「また注力事業という点では、複数のペイドメディアやECサイトとの連携がスタートしますので、自社サービスであるクラウド型のテンプレート動画サービス『FastVideo(http://fast-video.com/)』を2017年は特に強化していきたいと思っています。」

動画マーケティングの課題


柴田「ちなみに、動画広告に関する課題についても伺いたいのですが、まずは”ブランディング”と”ダイレクトレスポンス”のどちらを注力すべきか、という点です。私自身もコンテンツマーケティングの会社を経営する中で抱えている悩みでもあります。その経験で言えば、恐らく動画広告に関わる事業者が直面している課題の一つに、ブランディングにおける費用対効果の測定や評価基準の設定が難しいという点があるのではないかと思います。」

瀧「そうですね。費用対効果の議論は、データ活用に基づいた動画クリエイティブの制作が重要だと考えています。創業当時は『高いと思っていた動画が、こんな手ごろな価格で導入できるのであれば、まずは使ってみよう』というフェーズでしたが、今では動画を活用した経験があるクライアント様も増えてきているので、2017年は費用対効果という話題が広告以外でも議論に挙がると思っています。動画のユーザーテストみたいな流れがリテラシーの高い広告主の中では活用されるのではと想っています。クリエイティブの良し悪しは担当者の主観だけでは無くファクトベースでPDCAを回せるような仕組みが求められてくるかなと感じています。」

瀧「また、先ほどご紹介したアライアンスの中で、パーソナライズド動画への取り組みがありますが、これもデータを活用した動画ソリューション施策といえます。企業が保有する購買データや行動履歴をもとに、動画内で選択肢やアンケートなど個別の対話が可能なクリエイティブを提供します。CRMへの連携も可能になり、動画活用の幅が広がる取り組みになります。」

ピツニーボウズとLOCUSが対話式パーソナライズド動画ソリューションで協業を開始https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000008265.html

柴田「ありがとうございます。もう一つ、動画を制作する事と同じくらい、それを拡散する、もしくは狙ったターゲットに届けるという事が重要になってきていると感じています。ディストリビューション施策、つまりアドネットワーク、メディアアライアンス、インフルエンサー活用、SNS広告運用代行など、動画制作に留まらず多くの役割が求められるようになってきたという理解で良いでしょうか?」

瀧「まさにその通りです。先程お話したように2016年までで、動画を従来よりも手軽に低コストで作れるという意識が、企業の中である程度広まったと思います。今後はその制作した動画をどうディストリビューションしていくのかが、先ほどの指標の議論とセットになりますが、まさにクライアントから求められているところです。我々で言えば、独自のソリューションとして、先ほど申し上げたグレイプ社のほか、メタップス社やモデルプレスなどとアライアンス展開を進めて強化しています。」

動画コンサルティングサービス『LOOP』の提供開始について
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000008265.html


動画マーケティング市場の今後

柴田「なるほど。課題は他にも幾つかあると思いますが、話題を変えて今後のトレンドについてお聞きしたいと思います。

Facebookやインスタグラムといったプラットフォームが昨今、動画投稿を強力に促進しています。2016年でいえば、分散型動画プレイヤーが一気にユーザーのアテンションを獲得しました。料理などに代表される俯瞰・早回しフォーマットでコンテンツを量産し、マネタイズについてはネイティブ動画広告(ブランデッドコンテンツ)の形で提供しています。この流れはどう見ていますか?」


瀧「分散型動画メディアに関してはレシピやメイクなどが盛り上がっていますが、この領域はほぼプレイヤーが決まったと言っても過言では無いと感じています。どのようなジャンルなのかはわかりませんが、今まだ無い切り口での分散型動画メディアはチャンスがあるはずなので色々な企業が狙っているのではないでしょうか。ただ、プラットフォームに依存するリスクが大きいので、マネタイズはネイティブアドだけではなく、そこで募ったファンをアプリに誘導して月額会員という流れが一つ主流になるのだと感じています。」

柴田「ちょっと意地悪な質問ですが、、、うらやましいなと感じます?私自身も企業向けにコンテンツマーケティング支援を行ってきましたが、キュレーションメディア各社が急激なスピードで成長していったのを見て、当時は正直ちょっと焦りました。やりませんでしたが。御社は多くのコンテンツ制作者を抱えていて、制作ノウハウもあるので、参入できないこともないですよね?」

瀧「うーん。自社メディアに限らずやりたいことは沢山あるので優先順位を付けてチャレンジしていきます。動画と言ってもジャンルは幅広いので自社のアセットとシナジーがあり強みを活かせるかという観点で冷静に見極めながら何をすべきかを判断していこうと思っています。なので、特に羨ましいとかは無いですね(笑)」

柴田「すいませんでした(笑)。2017年の動画市場の展望という観点で、つい先日Facebookが動画にミッドロール広告を挿入可能にするといったニュースが流れました。またインスタグラムについてもストーリーズ内に広告運用を開始するアナウンスを出しています。動画コンテンツによるマネタイズをプラットフォームが支援することで、さらに市場の成長が見込めますよね。さらにライブ動画の市場も2017年は盛り上がりそうな状況です。プロモーション手段としてどう定着していくのか注目しています。」

瀧「ライブ動画についてはこれからというか、我々のクライアントからはライブで何かをしたいという相談は少ない状態ですね。また、各プラットフォーム上での動画コンテンツの制作とマネタイズ支援については、我々もメディア事業者とアライアンスを組むなどして取り組んでいきたいと考えています。」

柴田「個人的には、従来のwebメディア運営業者やポータルなどのパブリッシャーが、マネタイズを目的として各プラットフォームに最適化された動画コンテンツの提供に踏み込んでいくかどうかに関心があります。これまでは収益化のところが見えづらいこともあり、あまり積極的に動画コンテンツを展開しているパブリッシャーはいなかったと思います。とは言え、ディスプレイ広告などプログラマティック広告領域だけでは収益の拡大が難しい。もう一つ、動画制作が出来る人的リソースが少ないということもあると思います。そこで、御社のようなクリエイターを抱えていて、制作ノウハウのある企業が、各パブリッシャーと組んでコンテンツ展開をしていくという流れがありそうだなと思って見ています。」

瀧「そうですね。新しいサービスに関しては春先以降にリリースが出来ると思いますが、まずは現在展開している動画コンサルティング事業とFastVideoに注力をしていきたいと考えています。動画市場の変化は激しいのでアンテナを張ることは怠らずに、日々時代の半歩先を行く事業が何なのかを考えながら2017年も更なる飛躍を目指して行きます。」

柴田「ありがとうございました。」

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