戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

Pocket

ZOZOTOWNが2012年11月1日から実施していた10%のポイント還元サービスを、わずか3ヶ月で
再び1%に戻すことが発表されました。



ZOZOTOWN、ポイント還元率を10%→1%に[ITmedia]



昨年同時に発表された送料無料サービスについては継続するようですが、大きな話題を集めたポイントサービスを早期に変更するとは驚きです。



スポンサーリンク




2013年1月24日にリリースされた株式会社スタートトゥデイの発表によると、

当ポイント還元率の引き上げについて、取引先であるブランド様をはじめ様々なご意見をいただいたこと、また、今後更に価格競争が過熱化した場合のファッション業界全体に与える影響などを考え、今回の変更決定に至りました。

とのことです。


ファッションECの競争加熱

そもそも、昨年ZOZOTOWNが発表したポイント還元率10%施策はどういった背景から生まれたのか。



 戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

一つは、総合モール系EC企業のファッション領域強化戦略への対抗が挙げられます。
楽天は昨年4月にファッションジャンルの強化を宣言。「楽天ブランドアベニュー」をオープンさせたのを皮切りに、スタイライフとの提携を発表するなど攻勢をかけています。

楽天市場の年間流通総額は1兆2000億円以上と言われており、その中でもファッションジャンルの扱いは非常に大きく、また低価格帯の販売に強い特徴を持っているため、今後ファッションEC分野でも熾烈な価格競争が起こる事が予想されます。



 戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

また、amazonもファッションのCM放送を開始したり、モデルを起用したコーディネート販売を行うなど、この領域の強化を進めています。

 戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

特に男性ビジネスマン層が多いamazonでは、ZOZOと売れる商品の傾向が違う(スーツなどが売れる)と某大手アパレル企業のEC担当者から聞いたことがありますし、ZOZOからすれば脅威に映っているのでは無いでしょうか。

 戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

画像:アマゾンジャパン


上記に加えて、ZOZO自体の成長鈍化もポイント施策及び送料無料化を推進した要因だと考えられます。
昨年の業績下方修正や、販売単価の下落、アクティブユーザー率が頭打ちとなっていることなども要因の一つでしょう。

 戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

 戦略の再変更!ZOZOTOWNの方向性を検証

画像:IR資料より抜粋



これらの背景から「どこよりもお得に買い物ができるファッションサイトを目指す」という宣言のもと、ZOZOTOWNでは昨年11月よりポイント還元率を10%に引き上げるとともに、配送料無料サービスを開始したと考えられます。大手との価格競争への先手をうったとも捉えられますね。


ポイント効果の検証

ポイント還元率10%の根拠として発表されたアンケート結果では、

ゾゾの利用者に限らずファッション好きの20歳~40歳の男女1000人を対象に「欲しいファッションアイテムが1円でも安ければネットで購入するか」を聞いたところ、72%が「はい」と回答

『ポイント還元率が3~5%になり、配送料が全品無料になった場合、ZOZOTOWNでの利用金額は現在より169%アップの平均11万8000円になる』


というデータが示されていました。

また、送料無料とポイント還元率アップを実施するために必要な費用に関しては、テレビCMをやめるなど広告宣伝費を原資に充てる方針を示していましたが、実際に売上の増加によって広告宣伝以上の施策効果を出せていたのでしょうか。


ZOZOの約800億円(12年3月期)の取扱高に、上記アンケート結果より170%のUPが見込めると試算した場合、

取扱高の上積み分は、
取扱高の伸び:800億円×0.7=約560億

売上ベースでみると、同期の売上高が318億円(=取扱高の4割)のため、
売上:560億円×0.4=224億円

これに同期の利益率(約10%)を掛けると、
利益:224億×0.1=22.4億

年間ベースで22億円の利益貢献と試算できます。


LTVやポイント消化率が何%かという事も当然影響してきますが、ごくシンプルに考えた場合、
同期の広告宣伝コストが72億円との事なので、そのままポイント費用増加分が72億円だと仮定すると、
ポイント施策効果による想定利益分ではコストの回収が難しいと思えます。


また、この施策は当初からアパレル関係者から疑問の声が上がっていたそうです。
つまり、常にZOZOで10%のポイントが還元されるということは、リアルの店舗よりも断然安く買えるということ。
いまや家電業界がそうであるように、お店で見て(試着して)気に入った商品があればその場で買わずにZOZOで買う、というユーザーの購買行動が予想されるため、ZOZO出店ブランドとの関係悪化が危惧されていました。


実際にポイント10%還元施策を実施した結果、想定していたよりも売上に寄与しなかった事が原因かもしれませんし、昨日のリリースでも記載されていらブランドからの意見(反発)が起こった事を踏まえての決断であったと推測できます。

とは言え「どこよりもお得に買い物ができるファッションサイトを目指す」という方針がごく短期間で、
価格面での訴求ではなく、付加価値の想像と創造に尽力する」と変更された事には驚きです。

いずれにせよ、大手の参入により今後ファッションEC領域でも熾烈な価格競争に突入する事は避けられないと思います。一度価格競争に舵を切ったZOZOTOWNがどう戦略を転換されるのか、今後が気になるところですね。


今回の発表の前に、ZOZOTOWNの戦略について書かれた電子書籍が参考になりましたのでご紹介します(300円です)。

Pocket

Sponsored Link

Facebookページに「いいね!」して最新記事をチェック

1 comment

  1. Pingback: 実は楽天が国内ファッションEC市場で圧倒的1位だった件 | CyberTimes [シバタイムス]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>